
前回の話を書いていて、二輪野郎だった頃お世話になっていたバイク屋さんで耳にしたお客さん同士の会話を思い出した。
さすがに正確には思い出せないが
「楽しいことがあっても、すぐに『あーあ・・・この楽しい時間が終わったら、きっとまた嫌な事が起こるんだろうなあ』って考えちゃって、心の底から楽しめないの」
要約するとだいたいこんな感じの事を言っていたように思う。
某がなぜそんな他人同士のたわいもない会話を覚えているのかというと、理由はふたつ。
ひとつは、 某もまた同じように「楽しい」の後にくるであろう「悲しい」「苦しい」「不愉快」な時間を思い煩う性分であったから。
そしてもうひとつは、その言葉を発したのがやや派手目のライダージャケットをも自然に着こなす・・・少し前の言葉で言うなら「リア充」な・・・印象の女性だったからだ。

こうして何処の誰とも知れないリア充女性の発した言葉は、「こんな人でもそんな事を考えるのか・・・・・」という驚きと共に某の脳裏に深く深く刻み込まれる事となったのである。