
ルート探索&秘境温泉
年明けからしばらくの間、 某は暇を見つけてはグーグルマップを眺めて時間を過ごしていた。
通常ルートを避け、なおかつあまり大きく迂回する事なく北上するための新たなルート、要は「抜け道」を開拓するためである。
そのとき目に付いたのが、 秘境・・・とまではいかないが幹線道路から外れ 少々奥まった山裾に立つ宿泊施設を示す赤紫のピン。
それは特に有名なわけでも、風光明媚なわけでもなさそうな場所に文字通り「ポツン」と佇む一軒の温泉旅館であった。

興味を引かれストリートビューで確認してみると、古めかしい造りの建物自体は言うに及ばず、看板の字体やその経年によるかすれ具合が、歴史的な重みとは違ったある種のノスタルジーを掻き立てられる外観。
実に某好みの趣に彩られていた。
幸いにして日帰り入浴も可。
これはルート確認のついでに是非とも立ち寄りたい・・・と考えたのが年始休暇の最終日。
その後、風引き三昧の日々を送ることとなり、早くても今月末くらいになるもやむなしか?・・・と半ばあきらめていたのだが、病院から処方された薬の服用を始めて2日目。
何だかんだで薬が切れても普通に飲食可能なレベルまで回復した某は、棚上げとなっていたこの計画を発動させる事にしたのである。